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【新・仕事の周辺】小川哲(作家) 「相手の立場になる」よりも

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 「他者」を理解するとは、どういうことだろうか。ある時期までは「相手の立場になって考える」という価値観だけでよかったのかもしれない。しかし21世紀の僕たちは多様な人々の中で暮らしていて、そしてその多様性を肯定しなければならない。だが困ったことに、その中には普通の想像力では「相手の立場になる」ことができない人もいる。

 そんな時代に、「相手の立場になる」ことを金科玉条にしていると、相手を傷つけてしまうこともある。ある上司は、「自分もそうやって成長してきた」と「相手の立場になって」考えているから、部下にパワハラをしているのかもしれない。「自分がされても嫌でない」というパーソナルな質問をして、知らぬ間に他人を傷つけてしまっている人もいるかもしれない。

 もちろん僕だって、カンボジアの農民の立場になって考えることができないだけでなく、サラリーマンの立場になって考えることも、女性の立場になって考えることも、貧困に苦しむ人の立場になって考えることもできない。そんなとき、僕に必要なのはちっぽけな「想像力」だけではなく、「知識」だと思う。

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