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米METの特別展 ファッションと宗教の関係

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米METの特別展 ファッションと宗教の関係

宗教美術のモチーフを取り入れたジャンポール・ゴルチエのアンサンブル(1997~98年秋冬オートクチュールコレクション) 宗教美術のモチーフを取り入れたジャンポール・ゴルチエのアンサンブル(1997~98年秋冬オートクチュールコレクション)

 さらに同じ空間に、イヴ・サンローラン(仏)やジャンニ・ヴェルサーチ(伊)、ジャンポール・ゴルチエ(仏)ら、20、21世紀の著名デザイナーによる華麗なドレスが並ぶ。カトリックの装飾文化が現代のファッションに脈々と継承されているさまを、両者を見比べつつ感じ取れるのだ。

 企画したMETのキュレーター、アンドリュー・ボルトン氏は昨年、地元紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)に「(主に西洋で共有されるカトリックの伝統や文化が)アーティストやデザイナーをどのように創造へと導いてきたかに焦点を当てた」と語り、神学的、社会学的な考察ではないと強調した。

 今回取り上げられたデザイナーの多くはカトリックの伝統が息づく環境で育ち、ごく自然に宗教的イメージを服やアクセサリーに取り入れている。例えば、クロス(十字架)。日本でもありふれたデザインモチーフだが、クリスチャン・ラクロワ(仏)のジャケットにあしらわれた大きなクロスや、シャネル(仏)のクロスで構成したジレ(ベスト)には、2000年の歴史が横たわっているといえる。

 明治維新から150年。日本人は、西洋の服飾文化を、宗教とほとんど切り離す形で受容したのだと、改めて気付いた。10月8日まで。(黒沢綾子)

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