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【この本と出会った】『園芸家12カ月』カレル・チャペック著、小松太郎訳 作家・藤井青銅さん ホースは陰険な動物で…

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 そして数年後、さらにビックリした。北杜夫がインタビューで「どくとるマンボウシリーズを書くにあたって、チャペックをお手本にした」と語ったのを知ったからだ。「ああ、それでぼくはこの本が大好きなのか!」とひどく納得したのを憶えている。

 ユーモアの根底にある知性。それもそのはず、チャペックには鋭い文明評論を書くジャーナリストの面もある。一方で、やさしい童話も書く。たいへん多方面にわたる作家で、チェコの国民的作家であり国際的人気作家なのだ。

 活躍年代は第一次世界大戦と第二次世界大戦の間。いまから見るとずいぶん古い時代の人だが、文章がまったく古びていないのがすごい。その時代のチェコという国のことを知ると、哀(かな)しみと憤りと、人間と社会に関する観察力と、そしてそれらをくるむユーモアが生まれる理由もよくわかる。

 この本はずっと文庫として売られているし、薄くて安いので、これまで何冊も買っては知り合いにプレゼントしたものだ(現在も本棚には2冊ある)。

 十数年前、チャペックの本がちょっとしたブームになったことがあった。やさしいイラスト(チャペックの兄ヨゼフのもの)も手伝って、オシャレな女性向けの本が多かった。

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