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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(25)日本の官憲に朝鮮語奨励 国境警察隊の8割は日本語理解せず

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 ◆徴兵者は4分の1のみ

 朝鮮人を対象とした徴兵令は18年に発せられ、19年になって、やっと実施されている。それまでは、13年からの陸軍特別志願兵制度などによって朝鮮人兵を集めていた。戦局悪化にともなって戦死者も増え、内地ではどんどん徴兵年齢が上げられてゆく。できるならば朝鮮人兵も早く徴兵したかったであろう。なぜ終戦間際になったのか?

 ひとつには「日本語能力」がネックになったからである。若い徴兵世代でも全体の7割弱は日本語ができない。そんな兵は訓練もままならないし、命令を伝えることもできない。実際、徴兵制を実施したものの、徴兵されたのは「全対象者の約4分の1」にとどまっている。戸籍が把握できなかった者らに加えて、日本語の能力で除外された者がいた。

 大多数の朝鮮人が日本語を理解できない現実の前では、坪井が書いているように、日常生活での「朝鮮語の禁止」など、できるはずがないのである。

 ◆日本語求めた朝鮮人

 総督府は、朝鮮人児童への初等教育を整備・拡大し、あまり使われていなかったハングルを教え、識字率向上に努めた。

 ただし、総督府の言語政策は時期によって濃淡がある。映画『望楼の決死隊』に登場する、もう一方の映像も紹介しなければ公平ではない。それは、国境警察隊の壁に張られた「国語常用」の標語である。

 日中戦争(昭和12年~)以後、戦時体制の中で朝鮮でも内鮮一体、一視同仁のスローガンのもと、皇民化政策が進められてゆく。

 映画が撮られた18年には、「日本語を使いましょう」という国語常用運動が総督府によって進められており、官公庁などには、先の標語を掲げるよう指示が出ていた。初等教育の科目としての「朝鮮語」も、16年を最後(随意科目)に姿を消している。

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