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青春はいつから“ディストピア”になった? 島田雅彦さんが四半世紀ぶり青春小説「絶望キャラメル」

「小説の形態をとってはいますが、実用書のつもりで書いています」と話す作家、島田雅彦さん(納冨康撮影)
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 「ご無沙汰だった青春小説に、ほぼ四半世紀ぶりに戻ってきました」。作家、島田雅彦さん(57)の6月刊の長編「絶望キャラメル」(河出書房新社)は、経済が停滞した地方都市を舞台に、夢に向かって走りだす高校生4人組を描く。東京外語大在学中に、青春小説「優しいサヨクのための嬉遊曲」でデビューしてから35年。今、あらためて「青春」を見つめたのはなぜなのか?

夢追うキャラが浮く時代

 「ティーンエージャーが活躍する学園ものの小説ってのは今、ディストピア(反理想郷)化している。学園内で人間関係のもつれから殺人事件が発生するとかね…」。青春小説は、実に平成5年の「君が壊れてしまう前に」以来。「原点回帰」の理由を聞くと島田さんはそう切り出した。

 「そんな中で、文学と青春との縁がかなり薄くなった気がしていました。ディストピアものではない学園小説はあり得るのか? って問題意識がまず先にあったわけです」

 王道の青春小説が成り立ちにくい時代でもある、という。

 「基本、先進資本主義国においてはですね、将来何をやったらいいか分からない優等生、というのが定番です。でも結局、彼らは確実な路線で給料の高い職種を選んで金融マンになる。いかにして高給取りの証券マンになったか-では青春小説は成り立たない。波乱もないし当たり前だしね。夢の実現だとか、誰もやらなかったことをやってやる、といった蛮勇をふるうようなキャラが浮く時代なんだろうと思います」

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