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時代を語る林忠彦の仕事 記録写真の重みと魅力

「太宰治 酒場ルパンで 銀座」(c)林忠彦作品研究室
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 写真ほどリアルに後世に残るものはない-。会場の壁に写真家、林忠彦(1918~90年)のそんな言葉が掲示されている。東京・六本木のフジフイルムスクエアで開かれている「昭和が生んだ写真・怪物 時代を語る林忠彦の仕事」は、写真による記録の重みと魅力を伝えてくれる展示だ。

 林は、戦中から報道カメラマンとして活動。戦後は数多くの雑誌に連載を持つ人気写真家となり、日本の写真界を牽引(けんいん)した。「時代を記録しなければならないという使命感を持って、写真界のトップランナーとして走り続けた。巨匠、巨人を超えた、まさに怪物です」。展示を企画したアドバイザーの山本佳之さんは、そう話す。

 膨大な作品群のなかから、晩年のライフワークとなった「東海道」、美意識と技術の集大成といえる「茶室」の両シリーズのプリント24点を展示。「東海道」は、昭和31年に雑誌の依頼で撮影に赴いたとき、江戸の風情が消えつつあることに気づいて、いつか撮ろう-と決意した企画。約30年後、大病を患って死を覚悟したとき「命と引き換えにしてでも」と撮影に臨んだそうだ。

 シャッターチャンスを得るまで何度も同じ場所に通ったという。林自身も〈東海道に江戸の面影、情緒を求めるのは、針の穴から探すようなもの〉と振り返っている。写真集にするまでに5年を費やしている。

 林は世相をとらえたスナップや著名人の肖像写真で知られるが、晩年は日本の文化や歴史、日本人の美意識を作品化することにも取り組んだ。「『東海道』も『茶室』も風景写真で、人は写っていないのですが、不思議と人の気配を感じさせる。そこが見どころでしょうか」(山本さん)

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