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北方謙三さん「チンギス紀」 地平線に向かって書き続ける

「人間社会にある当たり前の欲望とは無縁に、全く違う形で動くのが私のチンギスです」と話す北方謙三さん (川口良介撮影)
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 小説「大水滸伝」シリーズを2年前に全51巻で完結させた作家、北方謙三さん(70)が、新たな大河小説を始めた。『チンギス紀』(集英社)。モンゴル族を統一し、瞬く間に大帝国の基礎を作り上げた英雄、チンギスハンの一代記だ。12世紀の草原をまっすぐに駆けた男たちの群像に、北方さんの魂が宿る。(村島有紀)

 自由に書ける魅力

 〈大地が揺れていた〉

 5月末に刊行された第1巻『火眼(かがん)』は、こんな書き出しで始まる。疾走する騎馬の大軍を想像したが、陽炎(かげろう)で揺れる大地の先を見つめるのは、愛馬とともに逃亡する13歳の少年、テムジン(チンギスハン)だ。モンゴル族を統一しようとした父の死後、氏族の勢力は瓦解(がかい)。異母弟殺しの罪で敵対勢力から追われ、家族から離れたテムジンの見果てぬ夢と孤独、波乱の生涯が凝縮されている。

 北方さんは、『三国志』など、中国を舞台にした小説の執筆を始めた約20年前から、モンゴル帝国の始祖を書きたいと思い続けたという。

 「英雄は何人かいる。ただ、文字で残す文明がなかったモンゴルでは、チンギスの資料が残っているのは40歳ぐらいから。それまでは比較的自由に書けるところがいい」

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