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【児童書】『ぼく、おたまじゃくし?』田島征三作・絵 ユーモラスな中に潜む真実

『ぼく、おたまじゃくし?』田島征三作・絵
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 野原にある小さな池。その中で泳ぐ無数のおたまじゃくし。やがて足がはえ、みな池から出ていってしまう。しかし、1匹だけいつまでたっても足が出てこない。仲間たちから取り残され、ひとりぼっち。いつになっても足はでないものの、なぜかひげが大きく伸びてしまう。タガメやイモリにからかわれ、おもしろがってひげを引っ張るミズカマキリなどを食べてしまう。池の生きものをのみ込み、ザリガニまで食べるほどりっぱな体に成長。ついには池と同じ大きさになってしまうが、足が出てくることはなかった。実はおたまじゃくしと姿が似た別の生きものだった。

 作者は幼少期を高知県で過ごした。用水路でおたまじゃくしをとってきて水槽で飼った体験が、長い年月をへて本作に結実したという。物語もさることながら美的な絵も魅力的。モチーフをクローズアップしたり、遠くから抽象的にとらえたりと構図にも工夫を凝らす。ユーモラスな絵の中にも弱肉強食の世界が潜んでいるようだ。(佼成出版社・1300円+税)

 渋沢和彦

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