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【聞きたい。】普通の人々が奏でる日本の100年  橋本治さん 『草薙の剣』

「文句があるかもしれない世の中を、とりあえず丸ごと抱きしめてみようか、って感じで書いている」と話す作家の橋本治さん
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 「私たちは今、どこにいるんだろう?と。それを書くのは、作家の責任かもしれないと、ふっと思ったんです」。昭和から平成に至る日本の100年を、ごく普通の人々の群像を通して描き出す長編小説だ。

 主人公は10代から60代まで10歳ずつ年の違う6人の男たち。戦後の焼け跡から高度経済成長、オイルショック、バブルの狂騒…。女性の社会進出で就職や結婚・離婚の形も変わる。「巨大な砂浜のようなところに普通の人たちがいっぱいいてそれが時代になる。時代って衣服のようなもの」

 幼少期に苦労した世代は「今太閤」と言われた田中角栄首相の登場に体を震わせて興奮する。でも豊かさを享受してきた子供は冷めている。昭和の歌姫・美空ひばりの死への悲しみも親子で共有されない。普通の人々の心が奏でるのは世代間の継承よりも、むしろ断絶だ。自分たちが時代を作る-という当事者意識の欠如も次第に鮮明になる。

 「みんな自分一人で完結しちゃっているんです。だから人が集まっても『世の中をどうしよう』って方向に行かず、それぞれの愚痴が深くなるだけ。誰かが前向きなことを言うと、足を引っ張られたりするし…」

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