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【ゆうゆうLife】家族がいてもいなくても(550) 子育ては、あっさり手早く

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【ゆうゆうLife】
家族がいてもいなくても(550) 子育ては、あっさり手早く

 しかも、巣のそばに人がいると、親が近づかない。ひなはエサをもらえない。そっと見ないふりをしていたら、ある日、巣が空っぽになっていた。

 ひなたちが巣立ちの日を迎えて自立してしまい、ツバメの家族はいつのまにか解散してしまっていたのだった。

 思えば、私の部屋の軒先でピヨピヨ鳴いていたスズメのひなの声もぴたりと止(や)んでいる。こちらの家族も、わずか2週間ほどで、解散したらしい。

 目下、色とりどりの花の咲く庭をスズメがしきりと行きかっているけれど、今や、どれが子スズメやら、親スズメやら、もう区別もつかない。

 この空飛ぶ鳥の巣立ちの素早さ、潔さには、ほとほと感心してしまった。

 そんなわけで、すでに家族解散済みの私たちシニアの話もついつい盛り上がる。

 「いつまでも親がエサを与え続けるのは、まずいってことよね」

 「子供を自立させるには、だらだらエサを与え続けちゃ駄目ってことよ」

 どうも、最近は気がめいるような家族内での事件が頻発している。いつまでもずるずると家族を続けているとその分、関係がややこしくなって、いや応なく問題がこじれてしまうのかもしれない。

 子育ては、あっさり手早くがいい。小鳥たちの知恵に、今さらながら教えられてしまうなあ、と思う。(ノンフィクション作家・久田恵)

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