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【解答乱麻】道徳教育を見直す視点 麗澤大大学院特任教授・高橋史朗

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【解答乱麻】
道徳教育を見直す視点 麗澤大大学院特任教授・高橋史朗

 第四に、アクティブ・ラーニングを重視し、唯一正解主義の攻撃的風土(教育的雰囲気)から支持的風土への転換。間違いや少数意見に対し「高き固き狭き心」でなく「低い柔らかな広い心」で受容し、対話を重視。

 第五に、「多様な価値観」に向き合い、「多面的・多角的」な見方を育み、対立する他者と対話・協働し、新しい価値を創造できる資質・能力の育成。

 対話を重視し、「考え、議論する道徳」を実践するにあたって、以下の3つの国際会議における議論にも学ぶ必要がある。

 2002年にモラロジー研究所創立75周年記念事業として開催されたモラルサイエンス国際会議「グローバル時代のコモンモラリティーの探求」と、05年のユネスコ創立60周年記念国際シンポ「文化の多様性と通底の価値」で、「異なる文明に通底する価値」を見いだすことの必要性が強調され、廣池千九郎の「三方(自己、相手、第三者)よしの原理」も紹介された。

 「通底する価値」とは一体何か。文化や価値観の多様性を認める「寛容さ」にとどまらず、「対話」を通して、共有可能な新たな価値を探求し、違いを活(い)かし合い、補い合い、高め合うという考え方が含まれている。

 「普遍的(universal)」という言葉には「一つにする」という意味があるので、「普遍的価値」ではなく、「通底する価値」という表現にしたのは、道徳教育を進める上でも極めて示唆的である。シンポの「最終公式声明」では、「和して同ぜず」の和の精神は「調和することを意味」し、「対話とは変容」であり、「対話のための理想的な場としての『道』」の文化の意義が確認された。

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