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【正論】海洋の危機に国際的統合機関を 日本財団会長・笹川陽平

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【正論】
海洋の危機に国際的統合機関を 日本財団会長・笹川陽平

日本財団の笹川陽平会長(栗橋隆悦撮影) 日本財団の笹川陽平会長(栗橋隆悦撮影)

 国連にはFAOや国際海事機関(IMO)、国連環境計画(UNEP)など海洋に関する9機関があり、それぞれが条約や協定、議定書を管理している。だが採択されても条約や行動規範に強制力や実行の担保はなく、違法操業などに効果的な対応を取れていない。

 多省庁にまたがり縦割りの弊害が指摘されている日本の海洋政策と同様、各機関が独立・分散している現状にも問題がある。このため筆者は昨年6月、海をテーマに初めて開催された国連海洋会議で海洋問題を国際的に総合管理する政府間パネルの設立を提案し、具体化に向け多くの国の賛同を得た。

 ≪1万年先を見据えた保存活動を≫

 海は地球の70%を占める。しかし人類は太古から陸を中心に生活を築いてきたが故に、海に対する関心は低い。海の危機は、17世紀オランダの法学者グロチウスの「自由海論」そのままに海を野放図に使ってきた結果である。

 海洋資源の活用が現実化するにつれ激しさを増す領海や排他的経済水域(EEZ)をめぐる紛争を前にすると、国際社会にはなお、海を無限と見る風潮が根強く残っているような気がしてならない。海の再生が二の次となる事態を憂慮する。

 スウェーデンの港町マルメにある世界海事大学(WMU)では途上国の海事関係の人材育成に取り組み、日本財団も運営に協力。これまでに140カ国、1200人を超す海洋専門家を育て、今回、新たな付属機関として「笹川海洋研究所」を設立することになった。

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