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【産経児童出版文化賞】大賞受賞者、たむらしげるさんのあいさつ(全文) 「消耗品でない、宝物を秘めた絵本を作りたかった」

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【産経児童出版文化賞】
大賞受賞者、たむらしげるさんのあいさつ(全文) 「消耗品でない、宝物を秘めた絵本を作りたかった」

大賞を受賞し表彰された、たむらしげるさん=12日午後、東京・元赤坂の明治記念館(桐山弘太撮影) 大賞を受賞し表彰された、たむらしげるさん=12日午後、東京・元赤坂の明治記念館(桐山弘太撮影)

 第65回産経児童出版文化賞(産経新聞社主催、フジテレビジョン、ニッポン放送後援、JR7社協賛)の贈賞式が12日行われ、絵本「よるのおと」(偕成社)で大賞を受賞した絵本作家のたむらしげるさん(68)が受賞者を代表して喜びの言葉を述べた。全文は次の通り。

 

 たくさんの児童書の中から自分の絵本が選ばれたことを光栄に思います。

 ここ最近、いわゆる「読者受けする絵本」が数多く見受けられます。その絵本を読むと、面白いけれど何か足りないな、と感じることがあります。

 何が足りないのか考えてみますと、子供にとっての宝物感がないのです。この宝物って何だろうか。それは子供の心の奥底に沈み込み、大人になってもひっそりと輝き続ける何かです。消耗品でない、宝物を秘めた絵本を作りたいとずっと思っていました。

 自分にとって、子供の頃の宝物は何かと考えてみますと、身近なところにありました。それが、松尾芭蕉の句だったのです。

 「よるのおと」に素晴らしいひらめきを与えてくれた「古池や 蛙飛びこむ 水の音」の句は、俳句で初めて人の心を詠んだ句だ、といわれています。この句の中で、心とは何を指すかと申しますと、「古池や」です。この池はそれぞれの人の心の中にある池なんです。澄んだ池もあれば、苔(こけ)むして風情のある池、汚れて濁った池もあるでしょう。人の数だけ池があります。

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