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【書評】『100年後の世界 SF映画から考えるテクノロジーと社会の未来』 「10年後」のための準備に

『100年後の世界 SF映画から考えるテクノロジーと社会の未来』
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 1964年生まれの評者は、しばしば「なんという未来に自分は生きているのだろう」と感じる。自らの子供時代を思い出すと、スマホもない、パソコンもない、もちろんネットもない、今とは全く違う世界だった。それらの技術がもたらした不可逆に思える大変化を経験しつつも、それなりに適応して今、自分がここにいることが奇跡のようにも思える。

 そして、恐ろしいことに、評者やその前後の世代の経験は、まだまだ序の口かもしれない。技術革新は加速し続け、特にバイオテクノロジー、情報技術、ロボティクスなどの進展はめざましい。

 本書は、タイトルの通り、SF映画を話題のとっかかりにして、技術の行方と社会の未来を考える。ゲノム技術で恐竜が現代に復活する「ジュラシック・パーク」に端を発する章では、クローン技術や遺伝子改変技術を皮切りに、絶滅動物の復活のみならず、たとえば「臓器工場」として機能しうるキメラ動物を創り出すことなどまで議論される。

 「マイノリティ・リポート」で始まる章では、ビッグデータを活用する情報技術が、プライバシーの概念を根本的に変容させたり、あらたな差別を生む可能性などが語られる。はたして、どこまでを受け入れ、どこからを拒絶すべきか。問いに答えるのは「決して容易ではない」し「答えを出すのが難しい」(いずれも本書の頻出表現)。

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