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【話の肖像画】スポーツキャスター・女優 大林素子(2)バレーしか生きる手段がなかった

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 結局、私は金メダルに届かなかったから、死ぬほどこだわった「勝負」には負けたのかもしれません。だけど、人間としては負けていない。そう思えるほど、誰よりも苦しんだし、がんばって練習した。それが全部、身になっているんです。

 〈現役時代、唯一の息抜きが、大好きなミュージカルや宝塚の舞台を見に行くことだった〉

 休みなんて当時は3カ月に1度くらい、それも半日だけとかね。しかも、前から分かっていると選手は遊びに行こうとするでしょ。休みは選手に体を休めさせるのが本来の目的ですからね。だから前日の夜にやっと「明日は休みです」と発表されるんです。私はその瞬間からすぐに友だちに電話して、舞台のチケットをとってもらう。お芝居を見ている3時間だけは「夢の世界」に入ってゆける、バレーを忘れることができたんですよ。

 今は時代が変わりました。トップレベルのアスリートでも「自分のために楽しんでやってます」と堂々と言ったりしますし、休みは気分転換を行う時間なんだ、と考える選手も多い。スポーツとの関わり方、子供たちとの関わり方、基本的な価値観も変わってきました。学校の運動会では、あえて順位をつけないとか、ね。

 「2位じゃダメなんですか?」と言った政治家がいたり、「ナンバーワンにならなくてもいいんだよ」という歌があったりしました。でも、私にとっては、ありえないことなんです。そこははっきりしているし、ずっとブレなかった。やはり時代なんでしょうか。(聞き手 喜多由浩)

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