産経ニュース

【話の肖像画】スポーツキャスター・女優 大林素子(1)「日本一グロテスクな女優」の意味

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
スポーツキャスター・女優 大林素子(1)「日本一グロテスクな女優」の意味

(萩原悠久人撮影) (萩原悠久人撮影)

 周りは金メダル級のすごい人ばかり、いきなり世界選抜の中に入ったようでしたね。蜷川さんの舞台は、初日の稽古が「本番初日」と同じなんです。共演者全員のセリフが頭に入っているし、衣装も音響もセットもでき上がっているのが当たり前。準備ができない人は「その場」にいられない。すごさに驚いたし、すばらしい経験でした。

 〈蜷川作品には3作出演。「盲導犬-澁澤龍彦『犬狼都市』より-」(25年)のときに「日本一、グロテスクな女優に」とアドバイスされた〉

 ショック? とんでもない、うれしかったし、ありがたいと思いました。だって、何にも(期待して)ない人には言わないでしょ。蜷川さんが見てくださった。それも“日本一の”ですよ。私のように背が高い(184センチ)女優はフツーとは見られない、それを理由に役がつかないことも多かった。そこを逆に「武器にしろ」と。でも蜷川さんがいう「グロテスク」は見た目じゃなくて表現だと思う。とても深いんです。内面の変化やテンポ、言い回し…。“技術を持ったグロテスク”というのかな。その意味を考え続けています。一生たどり着けないかもしれませんが。(聞き手 喜多由浩)

                  ◇

【プロフィル】大林素子

 おおばやし・もとこ 昭和42年、東京都生まれ。中学1年生でバレーボールを始め、八王子実践高校在学中に全日本代表に。日立に入団し、ソウル、バルセロナ、アトランタ五輪に出場、エースとして活躍した。平成9年の現役引退後はスポーツキャスター、女優として活動。スポーツ選手の社会貢献活動を推進する「HEROs」(日本財団主催)のアンバサダー、会津若松市観光大使なども務めている。10年目を迎える舞台「MOTHER」は9月から順次全国で公演。

「ライフ」のランキング