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【写真集】『Ibasyo 自傷する少女たち“存在の証明”』岡原功祐著 少女たちの居場所 とらえた「光」

「Ibasyo 自傷する少女たち“存在の証明”」(工作舎・2800円+税)
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 少女期のつらい体験などがきっかけで、自傷を繰り返す女性5人に密着したフォトドキュメンタリー。約260ページものルポとともに、身体を傷つけながら何とか生きようとする姿をとらえたモノクロ写真約60点(平成16~21年撮影)が収められている。

 家庭内暴力、多額の借金、顔見知りによるレイプ…。女性たちの体験談はどれも重い。写真の表情も、やはりどこか虚(うつ)ろだ。

 しかし、写真を眺めていると、あることに気づく。どれも「明るい」のだ。光の白さが強調され、まばゆい室内の階段を上る構図もある。光を意識した描写からは、被写体を優しく見つめる撮影者の心情が伝わってくるようだ。

 著者の岡原功祐(おかはらこうすけ)さん(38)は、海外でも高く評価される気鋭の写真家。人の居場所を主なテーマに撮影を続けている。本書の撮影に際しては「彼女たちがその場所に、存在していることが分かるような描写を心がけた」という。撮影開始から出版にこぎつけるまで14年かかった労作だ。

 「居場所」とは何か。読めば、題名の問いが直(じか)に迫ってくる。そして、写真は「光」があって初めて成り立つことにも、本書は改めて気づかせてくれる。(工作舎・2800円+税)

 堀晃和

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