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【王位継承物語】危機のさなかの継承 立憲君主像を確立したジョージ5世 関東学院大教授・君塚直隆

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 ジョージ5世は、もともとはエドワード7世の次男に生まれ、年子の兄エディがあとを継ぐことになっていた。兄弟はそろって幼年期から海軍で育ち、1881(明治14)年には世界を周遊する訓練のなかでこの日本にも訪れ、当時の明治天皇から歓待を受けていた。ジョージ自身は、その後も海軍軍人の道を歩んでいたのだが、92年に兄が病で急死した。突然「大英帝国」を継承する身分になってしまったのだ。

 そのようなジョージを支えてくれたのが、19世紀の評論家ウォルター・バジョットが書いた『イギリス憲政論』(67年刊行)。ここで説かれた「君主のありかた」をしっかりと学び、それはのちの「議会法危機」を調整する際にもいかされた。

 そしてもうひとつ、ジョージを支えてくれたのが亡き父エドワードによる薫陶であった。エドワード自身は、母ビクトリア女王から疎まれ、政治や外交にも関わらせてもらえなかった。こうした屈辱を息子には味わわせたくなかった。エドワードは、国王に即位するや、皇太子ジョージにも内閣文書や外交文書を閲覧させた。ウィンザー城の執務室では、自らの机のすぐ隣にジョージの机を置かせ、まさに「帝王学」を一から教えたのである。

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