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【書評】文化部編集委員・大塚創造が読む『宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年』(原雄一著) ニッポン警察敗北の裏面史

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 本書では警視庁幹部とのやり取りも詳述。「なぜ、犯人が捕まらないか分かるか」。著者はあるとき警視総監からそう問われ、答えあぐねていると「公安部が捜査しているからだよ」と言われた。公安部長は、著者が班長を務めていた捜査班にこんな奇妙な指示も出していた。「立件を目指す捜査は困るが、さらに捜査を突き詰めてほしい」

 22年3月に銃撃事件が時効を迎えた際、公安部長は「オウム真理教信者による組織的テロ」とする内容の捜査結果を公表。男に対する捜査のことには一言も触れなかった。一貫して「オウム犯行説」を崩さなかった公安部にとって大前提の見直しは自己否定につながる。本書はニッポン警察敗北の裏面史でもある。(講談社・1600円+税)

 評・大塚創造(文化部編集委員)

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