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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈25〉】世界遺産もいいけれどい…

「天草の崎津集落」の崎津教会(中央)=熊本県天草市
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省かれた禁教前史

 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録される見通しとなった。登録勧告があった遺産は、現存する国内最古のキリスト教会の国宝「大浦天主堂」(長崎市)や、江戸幕府の禁教政策の下で信仰が維持された集落など12の資産で構成されている。

 熊本日日新聞によれば、登録勧告発表の翌日の5日には、資産のひとつである熊本県天草市河浦町の崎津集落に過去最高の約1900人が訪れ、同市観光振興課は「予想どおりの勧告効果。これを機に、集落の価値を多くの人に知ってもらいたい」と意気込んでいるという。

 まずは関係者の方々に「おめでとうございます」と言っておきたい。ただ、世界文化遺産登録をめぐって一喜一憂するのは、「海外から認められてうれしい」という心性と、「これで観光客が増える」というそろばん勘定が感じられてなんとなく気恥ずかしさを覚えてしまう。芝居でもいいから、「遺産の保全と継承により責任を感じる」というクールなポーズをとったほうがよいのではないか。

 さて、勧告を受けて動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された長崎県制作の2本のアニメを見た。3分版と1分版という簡潔な作品だ。禁教下で離島へ移り住み、仏教徒を装い祈りをささげたキリシタンの歴史を紹介するものだ。正直にいうと大きな不満が残った。それは、わが国でキリスト教が禁止された理由についてまったく触れられていないからだ。

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