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【平成30年史 デジタルが変えた文化(4)】デジカメ、スマホ…「民主化」で誰もがカメラマン

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 しかし台頭したデジタルカメラの全盛期も長くは続かない。ほぼ同時に「カメラ」から「ケータイ」への移行が起きたのだ。「写メール」のブームをつくったカメラ付き携帯電話は、12年に最初の機種が販売。次第に画質の問題がクリアされていく。いま、スマートフォンの最新機種で撮った画像は、もう誰も文句をつけられない再現性を持つ。さらに、写真はプリントして保存するものではなく、ネットで一時的に共有するものという価値観の「革命」も、カメラの存在意義を揺さぶった。

 だが、不思議なことにカメラは売れ続けている。カメラ映像機器工業会(CIPA)の統計によると、総出荷数は減っても販売単価は減っていない。市場規模でいうと、50億円に満たなかったフィルム時代に比べるとまだ倍近い値をキープしている。つまり高級機種が堅調なのだ。

 CIPAは、この消費動向について、30年度の出荷見通しのなかで、「スマートフォンでは決して撮ることのできない写真表現」や「趣味、楽しみ、生きがいを突き詰めるため」の「ステップアップ需要」と解説している。

 かつてのカメラの入門機の代わりを、より身近な携帯電話が果たすようになって、「誰もが写真を撮る時代」が到来した。「写真」全体のマーケットが広がった。フィルムと印画紙を使う人間は激減したが、自在に加工され、送受信されるモニター上の画像というかたちで、「写真」をより多くの人が楽しめるようになったのは間違いない。

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 大森は、「WIRED(ワイアード)日本版」の仕事で作家のカズオ・イシグロを撮るとき、スマホを持っていった。イシグロは「iPhone(アイフォーン)で撮られるの初めてだよ」と面白がっていたという。

 アナログでもデジタルでも、印画紙でもモニター画面でも、写真の本質は変わらない、と大森は感じている。うつろう時間を定着させるという行為が、デジタル化によって誰でもできるようになったことを、写真家として歓迎したいという。

 「ある意味で極限まで民主化されて、写真の意味が問い直される、言葉のありようが問われる、いまはそういう時期。古い概念から自由になれるという考え方ができるなら、すごくいいことだと思う」 (敬称略)

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