PR

ライフ ライフ

【科学の先駆者たち】竹市雅俊・京都大名誉教授 細胞同士がくっつく仕組み解明 鍵握る「カドヘリン」を発見

Messenger

 ■偶然が大きなヒント

 生物学の歴史に残る竹市さんの大発見は、生き物に対する人一倍の好奇心と探求心によって生まれた。

 名古屋大で生物学を勉強した竹市さんは卒業後、就職するつもりだったが、すべての会社に断られて仕方なく大学院に進学。研究者への道を歩み始めた。

 転機が訪れたのは70年。発生生物学の権威だった岡田節人(ときんど)京大教授(当時)の研究室に入ってからのことだ。動物の目の細胞を培養していたところ、培養液の成分を変えると、細胞が培養皿に接着する様子も変わるという不思議な現象に気付いた。

 細胞接着の仕組みは当時の生物学の大きな謎で、世界の著名な研究機関が研究にしのぎを削っていた。竹市さんは名門の米カーネギー研究所に留学し、謎の解明に挑んだ。

 ところが日本で行った実験を何度やっても、なぜか細胞の接着が起きない。詳しく調べたところ、カーネギー研で使っている試薬は京大と違って、カルシウムの働きを打ち消す成分が含まれていた。

 「細胞の接着にはカルシウムが重要なのではないか」。偶然による予想外の実験結果が大きなヒントになり、帰国後に世界で初めてカドヘリンを見つけ出した。竹市さんは「時間がかかっても、物事を正確に見たことが発見につながった」と振り返る。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ