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【平成30年史 デジタルが変えた文化(1)】全てはポケベルから デジタル化が生む「SNSムラ社会」

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 「以前の携帯メールの場合は、一応はある程度意味のある一続きの文を送らないといけなかった。それが最近のLINEなどでのコミュニケーションを見るとフレーズ単位になって、より会話に近くなってきている」

 大学生の論述テストの答案などでも、ここ1、2年は特に箇条書きが増えた。接続詞を使って長文を作る能力が落ちているという。

 ただ、書き言葉での長文作成が苦手になってきている一方で、広い意味での語彙にあたる「言語資源」という観点では以前の世代より豊かになっており、単純に日本語力が落ちたとはいえない、と三宅は補足する。えせ関西弁をはじめとしたえせ方言、多種多様なネット用語、絵文字、スタンプ…。「それを私たち古い世代にはないリズムで自在に使っている。スマホを持ち歩くことで、いつでもどこでも自分の表現を伝える相手がいる」

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 物心がついたときからパソコンやスマホに親しんでいるデジタルネーティブ世代。言葉が変化した背景を探ると、人間関係の変化がみえてくる。

 「情報量が増えれば増えるほど、選ぶのが大変になってくる。だから多くの人はフィルターをかけて情報を減らし、限られた世界の中で人間関係を結ぶ」

 平成期を通しての社会的価値観の変化を研究する文教大准教授の酒井信(40)は、スマホ普及による情報量の膨大化が、若い世代のコミュニケーションや人間関係を一変させたと位置づけている。選択肢が多すぎるために選べなくなる事態が生じているというのだ。

 「ネットを通じて、本来はコミュニケーションがグローバルに広がる可能性を持っているのに、逆に各個人がどんどん閉じた環境に取り巻かれるようになった」

 最近の若者の気質を指す言葉として「草食系男子」や「マイルドヤンキー」などが話題になったが、そこにもデジタル化によるコミュニケーションの変化が影響していると別の専門家は指摘する。

 マーケティングの視点から若者を分析する博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平(41)は、「やさしい子が増えた。一度SNSでつながったら進学や就職を経てもずっと途切れないわけだから、人間関係数自体は過去最高だろう。以前の世代に比べて常に多様な人たちの生の声に接しており、共感力が高い」と分析する。

 原田はデジタルネーティブを、手の届く範囲を重視し、身の丈に合わない消費などに走らない現実的な世代と位置づける。そこにはマイナスの面もあるという。「関係が薄い人も含めてあまりにつながり過ぎているので、“SNSムラ社会”のようなものが生じている。出るくいは打つという極めて強い同調圧力の中で生きており、自由な発想や遠慮のない議論はかえって難しくなっているのではないか」 (敬称略)

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