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【書評倶楽部】芸人・プチ鹿島 防衛省「人事握られ官邸に服従」…今を知る一冊 『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』

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芸人・プチ鹿島 防衛省「人事握られ官邸に服従」…今を知る一冊 『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』

プチ鹿島さん プチ鹿島さん

 「存在しない」はずの日報が「存在した」。今の防衛省ならツチノコも発見できそう。もちろんツチノコは「隠蔽(いんぺい)」していないから「発見」はできない。言葉の書き換えの限界である。

 ジャーナリストの布施祐仁氏は「発砲事案」という言葉に違和感を持った。2年前の7月、自衛隊が国連PKOに派遣されていた南スーダンの首都ジュバで、政府軍と反政府勢力との大規模な戦闘が勃発。時の中谷元防衛大臣は記者会見で「散発的に発砲事案が生じている」と説明した。

 〈「武力紛争」を「発砲事案」と言い換えさえすれば、どんなに激しい戦闘が起こっても自衛隊を撤収させなくてよいのか?〉

 布施氏は、当時の自衛隊の活動状況を知るべく日報の情報公開請求をした。するとまだ半年もたっていないのに廃棄されていて「文書不存在」という答え。直感的に「あり得ない」と思った布施氏は追及を続ける。それがきっかけで日報が「発見」されたのは記憶に新しい。

 日本での動きを布施氏が、南スーダンの様子を三浦英之氏(当時の朝日新聞アフリカ特派員)が交互に綴(つづ)るのが本書の構成だ。三浦氏はジュバの自衛隊宿営地の隣で南スーダン政府軍と国連PKO部隊が交戦したという証言をつかむ。第6章「銃撃」のラスト一行に戦慄した。

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