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【がん電話相談から】膵管内腫瘍(ITPN)の疑い、検査のリスクは?

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【がん電話相談から】
膵管内腫瘍(ITPN)の疑い、検査のリスクは?

 Q 81歳の父は、4カ月前に血糖値が急に高くなり、造影CT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像装置)で8・4ミリの膵管(すいかん)内腫瘍(ITPN)の疑いと言われ、ERCP(内視鏡的逆行性膵管造影)を勧められています。父は検査、手術への不安が強く、嫌がっています。検査のリスクについて教えてください。

 A 膵臓には消化酵素である膵液を作る働きがあり、作られた膵液は、膵管を通って十二指腸に分泌されます。一般に、膵臓がんは膵管で発生し、すぐに周りの実の部分(実質)に浸み込むように広がっていくため、浸潤性膵管がんとよばれています。膵臓がんが「たちの悪いがん」といわれるのは、このようにすぐに浸潤していくためです。

 一方、膵管にできるがんの中で、膵管内でゆっくり発育した後に実質に浸潤していくものがあり、膵管内腫瘍とよばれています。膵管内腫瘍には、多量の粘液を産生し、膵管が袋状に拡張するIPMNと、粘液をあまり産生しないITPNがあります。膵管内腫瘍は、腫瘍が膵管内にとどまっているうちは予後が良いことが知られており、画像検査で膵管内に腫瘍が見られた場合には、完治が望めると考えて、積極的に手術が勧められます。

 ERCPとは、内視鏡を用いて、十二指腸にある膵液の出口から膵管にカテーテルを入れ、造影剤を流して膵管内の腫瘍の形態を調べる検査で、同時に膵液や腫瘍の一部を採取することで、悪性細胞の有無を検索することが可能です。膵臓に負荷がかかるため、急性膵炎を発症する可能性があり、気軽に行う検査ではありませんが、小さながんを正確に診断し、過不足ない手術を行うために必要な場合が多いです。ERCPを行わずに手術を受けた場合、がんではなかった(手術の必要がなかった)などの結果になることもあります。

                   

 回答には、がん研有明病院の笹平直樹消化器内科肝・胆・膵内科部長が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、(電)03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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