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【書評】『密談の戦後史』塩田潮著 角栄・マッカーサー…33の密談

『密談の戦後史』塩田潮著
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 昭和45年11月25日。三島由紀夫が森田必勝らとともに東京・市ケ谷駐屯地で壮絶な割腹自決を遂げ、日本全土に激震が走った日だ。

 この晩、総理の座を虎視眈々(たんたん)と狙う田中角栄は、秘書の早坂茂三を伴いながら赤坂の料亭「千代新」の門をくぐった。料亭に集まったのは週刊誌『女性自身』編集長、編集長代理の児玉隆也、『月光仮面』で名をはせた作家の川内康範、政治評論家の戸川猪佐武ら8人の男たちだった。

 一見すると実に不思議な面々の集まりだ。これは『女性自身』が田中の愛人であり3人の子をもうけた辻和子を取り上げようとしたことを察知した田中がもった密談の場所だった。田中は自分の子供を守るためなら、「議員を辞めてもいいからつぶす」とまで宣言した。田中に取材したがる編集部に対して、田中は一方的に自分の話を展開し、質問には答えなかった。結局、『女性自身』は辻を取り上げることはなかった。

 だが、宿命的な巡り会わせだろうか。この場に居合わせた児玉は、田中が総理となった後、『文芸春秋』に「淋(さび)しき越山会の女王」を寄稿し、田中総理退陣の引き金を引くことになる。このとき児玉が取り上げたのは、愛人の辻ではなく、田中の「金庫番」を務める佐藤昭(あき)だった。

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