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【書評倶楽部】作家・演出家、わかぎゑふ 「人をあぶり出す」会計…『帳簿の世界史』

作家・演出家のわかぎゑふさん
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 友達の確定申告を手伝ったときに、気持ちがザワザワしたのを覚えている。当時、彼女は上司と不倫中だった。領収書を分類していると、彼女が上司といつ会って、何を食べ、どこに行ったかが鮮明に見えてくるように思えた。私は見てはいけないものを見たような気分になり「領収書って怖いな」と思った。

 人間は強欲なものだ。お金を持っていない若い頃はお金が欲しいと一生懸命働く。そして「金持ちは貧乏人にもう少し還元したらいいのに」と心から思う。しかし年を取って少々蓄えができたりすると、それを失いたくないと必死に守る。「還元? そんな余裕ないよ」と眉根を寄せるようになり、嫌な大人の顔が出来上がっていくのだ。

 『帳簿の世界史』という本が出た。雑学本好きの私には「待ってました!」と言いたくなるようなタイトルだ。それだけで買った。帳簿がいかにして生まれたか、歴史上誰が会計に長(た)けていたか。興味深い史実がわんさか載っている。ゆっくり読むために旅に出たいくらいだ(それこそ無駄遣いか…)。

 冒頭から面白すぎる話だった。かの太陽王ルイ14世は、お金の計算に実に敏感だったというのである。国にきちんとした会計士を置いて国家予算を管理していた。

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