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【話の肖像画】喜劇役者・大村崑(3)「オロナミンC」は最初断った

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 〈その直後、大阪の民放テレビが相次いでコメディー番組をスタート。「上方コメディー」と称され、全国的な人気となった〉

 「やりくりアパート」でレギュラーをいただくと、「番頭はんと丁稚(でっち)どん」で番頭にいじめられる丁稚の崑松役、「とんま天狗(てんぐ)」では主役の尾呂内楠公。スポンサーの大塚製薬「オロナイン軟膏(なんこう)」をもじってます。信じられないトントン拍子でした。最盛期にはレギュラー11本、全部生放送。とにかく寝たかったですね。ただでも肺結核で肺が片方ないんです。横山エンタツさんに「顔色悪いで」と言われ、トイレでほお紅や口紅を塗ってごまかしたこともありました。

 僕の代表的なコマーシャルに“元気ハツラツ”のキャッチコピーで知られる「オロナミンC」があります。「とんま天狗」終了後にオファーをいただきました。でも、最初はお断りしました。片肺だし、倒れたりしたら迷惑をかけてしまう。ところが、ギャラの釣り上げと勘違いされた。交渉のたびにギャラの桁が増える、最後は副社長が交渉に来られる。結局お受けしました。あの時は本当のことが言えず、健康を気遣わないといけない。複雑でしたね。

 オロナミンCといえば、「うれしいとメガネが落ちるんです」のコピーもあります。コマーシャルの撮影現場で生まれたんです。撮影に手間取って険悪なムードになっていた。そんなタイミングで監督が僕に、トレードマークの“鼻メガネ”をやってくれと。「きょうはうれしい気持ちじゃないからメガネが落ちない」と言ったら、「いいね」と。ひっくり返して、「うれしいとメガネが落ちる」になったんです。(聞き手 豊田昌継)

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