PR

ライフ ライフ

【話の肖像画】喜劇役者・大村崑(2)芸能界に憧れ「メガネのボーイ」に

Messenger

 〈芸能界への憧れが強まり、近道として、多くの有名人が集まる神戸・三宮のキャバレー「新世紀」にボーイとして入る〉

 当時、水商売はメガネ姿がダメでした。僕は小学生のころからかけていたので当初は不採用。でも、オーディションで僕が面白おかしくしゃべるのを聞いていたオーナー夫人が「あの子、面白いわね」と口添えしてくれた。おかげで入店できました。ボーイと言ってもダンスホールやサロンを備えた大きな所でしたから、100人はいました。その中でメガネをかけているのは僕だけ。「メガネのボーイさんを呼んでください」とかえって目立ちましたね。

 「新世紀」には有名人がたくさん来ました。力道山さんや雪村いづみさん、江利チエミさん。華やかでした。店が終わったら、大学生や商売人と“賭け球”(賭けビリヤード)です。店主にチップを払って店を開けさせ、朝までやっていました。

 そんなある夜でした。ビリヤードの途中に何の気なしに痰(たん)を吐いたら真っ赤に染まっていた。僕は酒は飲まないけど、たばこはピース缶をバカバカ吸っていた。検査をしたら肺結核。右肺を切除しなければならないほどの重症で、医師に「40歳で死ぬ」と宣告されました。この話は、つい最近まで内緒にしていました。だって、コマーシャルで「元気ハツラツ!」と言っている男が片肺だったと知られたら、スポンサーや世間に申し訳ないじゃないですか。

 療養は1年半ほど続きましたが、何とか「新世紀」に復帰しました。ボーイ以外にショーの司会も任されました。そんな中、雪村いづみさんのマネジャーに「プロの司会者になりたい」と声をかけたところ、のちに「素人名人会」の審査員で知られる司会者の大久保怜さんを紹介してもらいました。(聞き手 豊田昌継)

関連ニュース

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ