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【TOKYO まち・ひと物語】福生の窪田成司さん 郷土の様子、記憶頼りに描く

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【TOKYO まち・ひと物語】
福生の窪田成司さん 郷土の様子、記憶頼りに描く

自宅で絵筆をとる窪田成司さん=東京都福生市 自宅で絵筆をとる窪田成司さん=東京都福生市

 自らの記憶だけを頼りに、戦前や戦中の郷土の様子を絵に描き続ける男性がいる。東京都福生市福生の窪田成司さん(87)。かつてあった家並みや人々の暮らし、祭りの様子、玉川上水の分水網の流れ…。窪田さんの「記憶画」には、とうに失われた風景や風俗が詳しく描かれ、文化人類学や建築学の研究者らも注目する。「消えないうちに頭の中の風景を描いておきたい」。窪田さんの絵への意欲は尽きない。(石塚健司)

 江戸時代から続く左官業の六代目。「左官といっても、うちは壁塗りだけじゃなく、土蔵を造り守っていく技を代々受け継いできた」。家業は次男が継いだが、土蔵補修の要所では今も一緒に現場に立つという。

 記憶画を描くきっかけとなったのは、7年ほど前、町内会から「新住民が増えたので、どの家が何という屋号なのか分かるようにできないか」と相談されたことだ。同姓の家が多いため屋号で呼び合ってきたが、新しい住民の中には戸惑う人も多いという。

 そこで窪田さんは、自筆の地図に一軒ずつ屋号を描き込んだ「屋号地図」を作った。さらに「昔の様子が分かる絵も付けたら面白がってくれるんじゃないか」と絵筆をとった。若い頃から、土蔵に施す漆喰(しっくい)彫刻で竜や花などの下絵を描くため絵筆に親しんできた。

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