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【からだのレシピ】医療分野の「費用対効果」考える教科書

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【からだのレシピ】
医療分野の「費用対効果」考える教科書

「保健医療の経済評価 第4版」 「保健医療の経済評価 第4版」

 保険料や税金で賄われる日本の国民医療費。当然、限りがあるため、どのような使い方をすれば、その制約の中で、できるだけ多くの国民が健康寿命を全うできるような医療を提供できるかが合意形成の上で重要となってくる。

 そのためには医学的に効果があるかどうかといった面だけでなく、「費用対効果」という経済的な視点も必要となる。だが、医療分野は患者によって治療の効果の表れ方が異なったり、同じコストをかけたりするにしても、高齢者と子供を同じ扱いにしていいのかといった難しい問題がある。

 医療分野での費用対効果の「指標」となるものは何か、さらに、指標を使ってどのような医療を提供すべきか。その教科書として欧州で広く使われている『保健医療の経済評価』(マイケル・F・ドラモンドほか著)の第4版の翻訳本がこのほど、篠原出版新社から刊行された(8800円+税)。

 同書では、その指標であるQALY(クオーリー、質を調整した生存年=健康生存年)の解説はもちろん、実際の効果の測定、それに基づく医療の組み合わせ方などを詳しく紹介している。

 監訳者の久繁哲徳(あきのり)・医療テクノロジー・アセスメント研究所長は「この10年で進歩した診断・治療の科学的な評価や、測定の際のばらつきの評価などについて盛り込まれ、より充実した」とし「医療政策の担当者や健康保険の関係者、医師らにぜひ読んでほしい」と話している。

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