記事詳細
行政“お墨付き”講演で前川喜平氏放言、「ファシズムの音聞こえる」 北九州市教委「中立性」に疑問
文部科学省の前川喜平前事務次官が14日夜、北九州市教委が名義後援した講演会において、「ファシズムの音が聞こえてくる」などと、政権批判を繰り返した。こうした講演会を名義後援したことで、同市教委が「行政の中立性」「公教育の中立性」を損なったともいえ、識者からは批判の声が上がった。(中村雅和)
「後援があるから、言っちゃいかんと思っていたけれど、愛媛県庁から出てきたメモが、決定的証拠ですよ。安倍総理の明確な意思表示がなければ、あんな文章作れない」
前川氏は「ウェルとばた」(北九州市戸畑区)で開かれた講演の終盤、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画に、安倍晋三首相の直接的な関与があったと主張した。
講演会は、弁護士らでつくる実行委員会が主催し、同市教委に名義後援を申請した。タイトルは「みんなで未来の話をしよう~これからの教育と子どもたち~」だった。
市教委は「市民の生涯学習を広く奨励し、さまざまな問題の判断材料を提供する目的がある」として、名義後援を決めた。費用などは出していない。市教委の基準では、特定の政党や宗教、選挙候補者の支持を訴える事業は後援しないとする。
だが、名義後援を得た講演では、政治的な発言が相次いだ。