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【話の肖像画】喜劇役者・大村崑(1)「西郷どん」は絣の着物で稽古

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【話の肖像画】
喜劇役者・大村崑(1)「西郷どん」は絣の着物で稽古

(志儀駒貴撮影) (志儀駒貴撮影)

 拝謁が終わると、周囲にいた受章者の皆さんから「陛下が二度見されましたよ」「なぜ崑さんだけ?」と冷やかされました。感謝の気持ちを何としても陛下にお伝えしたかっただけなんですけど。

 〈「西郷どん」には、主人公・西郷隆盛の祖父、龍右衛門役で出演した〉

 大河ドラマは初出演でしたが、本当に大事にしてもらいました。最初に、東京で衣装合わせをしたときには、僕一人のためにスタッフ約50人が待っていたのですから。

 でも、そこで衣装やカツラをつけて、最後にプロデューサーから「正座をお願いします」と言われてピンときた。そうか、彼らはこれを試したかったのか。高齢だから、立ち座りに座布団やイスが必要なら困る。でも、僕は全く苦にしない。立ったり座ったりも簡単にできる。元気ならこそ、ですね。

 稽古初日は、白色の絣(かすり)の着物と袴(はかま)、カンカン帽に下駄履(げたば)きで行きました。他の演者さんはジャージーや短パン姿でした。すると皆さん、僕に気を使ったのか、2日目から全員浴衣姿に変わりました。撮影中にトイレに行きたいと言ったら、スピーカーを通じて「龍右衛門さんが出られます。開けてください」と、仰々しいの何のって。出演は1~7話だけでしたが、もう少し出たいと思いましたね。(聞き手 豊田昌継)

                  ◇

【プロフィル】大村崑

 おおむら・こん 昭和6年、神戸市生まれ。本名・岡村睦治。神戸市立第一機械工業学校(現・市立科学技術高校)卒業後、キャバレーのボーイを経て、司会者の大久保怜に弟子入り。32年、北野劇場の専属コメディアンとなる。テレビのコメディー「やりくりアパート」「番頭はんと丁稚どん」「とんま天狗」で全国的な人気に。劇作家の花登筐(はなと・こばこ)らと劇団「笑いの王国」を設立し、座長を務める。テレビドラマ、舞台、コメンテーターなど幅広く活躍する。平成29年、旭日小綬章。

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