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【書評】『AI VS.教科書が読めない子どもたち』新井紀子著 「人間にしかできない仕事」一致して希求する流れへ

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【書評】
『AI VS.教科書が読めない子どもたち』新井紀子著 「人間にしかできない仕事」一致して希求する流れへ

『AIvs教科書が読めない子どもたち』新井紀子著(東洋経済新報社・1500円+税) 『AIvs教科書が読めない子どもたち』新井紀子著(東洋経済新報社・1500円+税)

 グラフと文章を照合させる、といった「AIが苦手な作業」を、現在の中高生の約半数がAI以下の精度でしかやれない。新井が独自に開発した読解力テストの結果は、そのことを如実に物語る。標準的な生徒の意味把握力は、教科書を読みこなせないレベルにとどまるという。

 人間にしかできない仕事をする能力の養成。この重要な課題に、現在の初等・中等教育は失敗している。この状況を放置できないのは無論だが、決定的な解決策はまだ見いだされていないようだ。

 本書の「恐るべき提言」が「常識」として共有され、「普通の人間」がAIに奪われない仕事をして生きる未来を国民が一致して希求する。そういう流れを作る必要を痛感した。教育に携わる人びとに特に薦めたい一書である。(東洋経済新報社・1500円+税)

 評・助川幸逸郎(岐阜女子大教授)

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