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アキール・シャルマさん「ファミリー・ライフ」 愛と苦悩 交錯する介護

来日は2度目。「東京はモダンであり、非常にエキゾチックでもある」と話すアキール・シャルマさん
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 「人の感情の真実をいくらかでも書きたい」。インド出身の米作家、アキール・シャルマさん(46)の『ファミリー・ライフ』(新潮社)は、水難事故にあった肉親を介護する家族を描く自伝的小説。深い愛と苦しみに引き裂かれる家族の複雑な思いが切実に迫ってくる。(海老沢類)

 陰気な父と、教育熱心な母。成績優秀な兄とその兄を誇る弟のアジェ。1970年代末、インドから米国へ移住した一家は物質的に豊かな国で未来への希望を抱く。ところがある日、難関高校に合格し、家族の期待を背負っていた兄がプールの事故で寝たきりの状態に。ふいに訪れた、長く苦しい介護生活が、アジェの回想でつづられる。

 「アジェに起きたのは私に起きたこと。家族の経験を残しておきたい、覚えていたい、という気持ちがあった」とシャルマさん。

 発語できない兄の口に食べ物を運び、体を洗ってあげる家族。そんな優しさや愛を、もはや回復の見込みがないという絶望や心身の疲労がむしばむ。父は酒に溺れ、母と口論ばかり。アジェも無力感から涙をこぼす。「新たな現実を理解するのには時間がかかる。現実を受け止められたのか、私にも分からないのです」

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