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【がん電話相談から】乳がんの術前抗がん剤治療、全摘でも必要?

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【がん電話相談から】
乳がんの術前抗がん剤治療、全摘でも必要?

 Q 60歳の女性です。3カ月前、乳がんと診断されました。腫瘍の大きさは4センチ、リンパ節転移はなく、トリプルネガティブでした。術前化学療法で、タキサン系のアブラキサンを4回行い、腫瘍が2・5センチに縮小。続いてFEC療法を開始しましたが、副作用(動悸(どうき)、倦怠(けんたい)感、吐き気、不眠など)が強くなり不安です。あと3回行った後、全摘術を受ける予定ですが、全摘でも残りの抗がん剤治療を続けた方がいいのですか。

 A 術前に行う抗がん剤治療の目的の一つは、今あるがんを小さくして、より確実に手術を行えるようにすることです。今回の場合、乳房にあるがんは2・5センチにまで縮小しており、全摘術で取りきれると思います。しかし、抗がん剤治療のより大きな目的は、画像でとらえることのできない微小な転移を死滅させることです。がんはすでに乳房外の骨や肝臓、肺などに飛んでしまっているかもしれません。1ミリの大きさのがんでも転移の可能性があるので、早いうちに芽を摘んで、再発の可能性を抑えることを目指します。

 トリプルネガティブの場合、タキサンを4回、FEC療法を4回行うのが、再発予防に効果が高いことが分かっています。副作用が軽減できれば、ぜひ続けていただきたいです。

 Q 副作用を小さくするには? 漢方薬や眠剤を服用していますが、影響がありますか。

 A 副作用には、抗がん剤によるもののほかに、副作用を抑えるための薬や現在飲んでいる他の薬の副作用もあります。主治医や看護師、薬剤師に症状を詳しく説明して、うまく薬を調整してもらってください。漢方薬は、抗がん剤の副作用や効果に影響することもあり得るので、必要なものでなければ、抗がん剤治療中はやめた方がいいでしょう。眠剤については、夜眠れないことの方が吐き気やだるさを強めることがありますので、飲んでよく眠ることの方が有効だと思います。

                  

 回答には、がん研有明病院の上野貴之乳腺外科部長が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、(電)03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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