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【書評】囲碁の感覚を言葉で視覚化 『棋士とAI アルファ碁から始まった未来』王銘えん著

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 一流プレーヤーは必ずしも説明がうまいとはかぎらない。しかし、一流でありながら説明能力も高いプレーヤーがこの世には存在する。囲碁界では王銘●(おうめいえん)九段がその人。40年を超えるプロ生活で、本因坊2期などの実績を持つ。

 銘●氏の明晰(めいせき)な思考に触れたのは10年以上前、われわれが企画した認知科学的実験に協力いただいたときのことである。実験の一つに、囲碁のある局面を見せ思考内容を発話してもらう課題があった。囲碁は石の強さや厚みなど、高度に感覚的な評価を必要とするゲーム。そのためプロアマ問わず実験参加者の多くの表現は、抽象的になりがちだった。その中で唯一、感覚的な思考を自身の価値基準に照らして明快に説明、理路整然と発話することに驚かされた。

 本書でも随所に、その卓越した能力が垣間見える。囲碁における地(占有率)の争いを選挙戦に例えることで説明してみせたかと思えば、人間特有の恐怖心についてもAI(人工知能)との違いを一段高い見地から分析している。囲碁というゲームを扱うには人間の処理能力に限界があることを客観的に認識した上で、2年前に突如現れた囲碁AIの「アルファ碁」という怪物を専門的知見から、それでいてわれわれアマ愛好家にもわかる言葉で解説する。

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