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【書評】『保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱』西部邁著 半世紀の思想闘争を回想

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 いうまでもなく本書は、著者・西部邁氏の「自裁死」の理由が述べられている著作として注目されている。しかし、読み進むことで明らかになるのは、これは半世紀を超える氏の思想的な戦いの回想であるということだ。

 ただし、それは必ずしも勝利の記録ではない。

 西部氏は1980年代に大衆社会の批判者として登場し、「慢心したお坊ちゃん」が蔓延(まんえん)する日本を指弾したが、30年後の本書でも「自己満悦に浸っている点で最も目立っているのが、我が日本列島」と語らざるを得なかった。

 また、かつて戦後日本が「ビジネス文明」に傾斜したことを鋭く衝(つ)いたが、この本でも日本に国民意識が欠落するが故にグローバリズムに無抵抗になり、いまや「国家経済を論じることなど不可能」であると慨嘆している。

 そして、軍事に無関心であれば状況適応に陥ると予告したものの、「おかれている立場がどんどん弱くなってきている」という現実に日本人が鈍感であることを、なおも指摘しなければならなかった。

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