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【書評】『ヌーヴェル・ヴァーグの世界劇場』矢橋透著 監督たちの旺盛な活動追う

『ヌーヴェル・ヴァーグの世界劇場』矢橋透著
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 □『ヌーヴェル・ヴァーグの世界劇場 映画作家たちはいかに演劇を通して映画を再生したか』

 フランス映画に新しい風をもたらした1950年代末のヌーヴェル・ヴァーグといえば、フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』(59年)やジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』(60年)のような、パリの街中にカメラを持ち込んで撮った自由で瑞々(みずみず)しい作品群が思い浮かぶかもしれない。しかし、「演劇」という意外な切り口で、この2人を含む7人の監督たちの2000年代にまで及ぶ旺盛な活動をたどった本書は、そのような一面的なイメージを心地よく裏切ってくれる。

 映画の革新を強く志向するゴダールのような監督にとって、演劇的要素(たとえばブレヒト的な)の導入が旧来の慣習を打破する武器になりえたことはよく知られている。だが、ジャック・リヴェットもまた、『アウト・ワン』(71年)のような作品を筆頭に、「演劇」をいわば異物として映画に導入する前衛的な試みを行っていた。その相対的に知られざる全貌を明快に論じた章は、本書の白眉と言える。

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