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【がん電話相談から】卵巣がん手術後の化学療法、再発予防に有用か

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【がん電話相談から】
卵巣がん手術後の化学療法、再発予防に有用か

 Q 60歳の女性です。3カ月前、腹水がたまって出血し、卵巣がんと診断されました。1カ月前、両卵巣と子宮全摘およびリンパ節郭清術を受け、明細胞がんIC期の診断でした。主治医に「手術でがんは全部切除した。比較的抗がん剤の効果が少ないタイプだが、念のため抗がん剤治療を行う」と告げられ、「カルボプラチン+パクリタキセル」を6サイクルの予定で始めました。効かないものを続ける必要があるのでしょうか。

 A I、II期の早期卵巣がんの治療成績は、化学療法の進歩により有意な改善を示しました。最近の多くの報告では、I期では90%前後、II期でも70%前後の5年生存率が報告されています。

 今回の場合、腹水が貯留した卵巣がんですから、I期の中でも手ごわいグループに属します。腹水中には、卵巣がんの細胞が浮遊しているはずであり、これがおなかのどこかでミクロの播種(はしゅ)巣を形成しつつある可能性は高いため、抗がん剤治療を実施するのは世界標準と考えられます。もし抗がん剤を中途半端に終了させると、50%以上の確率で再発するかもしれません(1985年以前の成績ですが、I期全体で60%の5年生存率ですが、腹水が貯留したIC期は50%以下の生存率でした)。

 卵巣がんには主に4種のサブタイプがあり、抗がん剤に高率に反応する(良い効果が得られる)漿液(しょうえき)性腺がん、類内膜腺がんと、抗がん剤に対する感受性の悪い(良い効果が得られない)粘液性腺がん、明細胞がんに分けられています。しかし、がんが肉眼的に分かるような場合と違って、ミクロレベルの場合には抗がん剤の感受性はより良いと考えられ、粘液性腺がんや明細胞がんの場合でも再発予防効果があることが報告されています。ぜひとも現在の抗がん剤治療を6サイクル受けてください。

                  

 回答には、瀧澤憲・がん研有明病院顧問(婦人科)が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、(電)03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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