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【脱「災害弱者」 共に助かるインクルーシブ防災】(中)個別計画を生かす 当事者が互いにサポート

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【脱「災害弱者」 共に助かるインクルーシブ防災】
(中)個別計画を生かす 当事者が互いにサポート

東大の本郷キャンパスで、非常用階段避難具を使用して避難訓練を行う藪謙一郎さん(右から2人目)=東京都文京区 (同大バリアフリー支援室提供) 東大の本郷キャンパスで、非常用階段避難具を使用して避難訓練を行う藪謙一郎さん(右から2人目)=東京都文京区 (同大バリアフリー支援室提供)

 障害のある学生と教職員の就学・就業を支援するため、東京大学が平成16年に開設したバリアフリー支援室。ここは防災への対応にも深く関わる。

 支援室特任助教の中津真美さんは、「どの机に手をついて立ち上がり、避難具に乗り移って、誰の支援でどの階段で降りるか、そこまで決めている車いすの教職員もいる」と話す。障害や所属部局の環境によっても抱える困難は異なるため、一人一人、個別の避難マニュアルを作成した。

 支援室は当事者自身が運営の中核を担い、普段は、聴覚障害の学生が講義を受ける際にノートを取る人を派遣したり、視覚障害学生に試験問題を点訳したりするなどのサポートをしている。こうした日常の支援体制もあって、東日本大震災の発生時にも周囲にいる人々が自然に協力。障害者が避難できなかった例はなかったが、さらなる安心・安全のため、個別の避難計画づくりを進める。

 確実に助かるために

 全身の筋力低下などが起きる難病で車いすを使用する、東大高齢社会総合研究機構特任研究員の藪謙一郎さん(35)は、周囲に人がいないときでも確実に避難できるよう緊急連絡の方法を決め、避難具の操作ができる職員を増やすなど体制を整えた。「何かあったらみんなには先に逃げてもらおうと諦めに近い意識だったが、今は自分がしっかり助かることができるよう対策を立てることの重要性を強く感じる」という。

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