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【がん電話相談から】前立腺がんホルモン治療、副作用がつらい

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【がん電話相談から】
前立腺がんホルモン治療、副作用がつらい

 Q 70歳の男性です。1年半前、PSA値62で前立腺生検を受けたところ10本中5本にがんが見つかりました。骨シンチグラフィー、CT(コンピューター断層撮影)検査で転移はなく、グリーソンスコアはグレード4があったと聞いています。手術や放射線治療の合併症が嫌でホルモン治療を選択、「カソデックス+リュープリン」を開始しました。直近のPSA値は0・02です。半年ほど前から倦怠(けんたい)感、膝や腕の関節痛が出てつらいです。骨密度も78%まで落ちています。主治医は「加齢や力仕事によるもの」と言いますが、そうなのでしょうか。

 A ホルモン治療は根治療法ではなく、男性ホルモンの分泌や作用を妨げることで、前立腺がんの勢いをそぐものです。結果的に男性更年期を作り出し、早い段階からホットフラッシュや筋力低下、陰萎(いんい)などの副作用が出ます。長く続けるとメタボリック症候群、骨粗鬆(こつそしょう)症、心臓や血管の合併症などが重なってきます。あなたのように、きちんと散歩や力仕事をしている人の骨密度は下がりにくいものです。加齢のみならず、ホルモン治療の影響もあるでしょう。

 Q 今後、他の治療法は?

 A 間欠ホルモン治療という方法もあります。例えば、1年治療を行い、PSA値が当初の目標値まで低下したら治療をいったん中止します。その後、男性ホルモンの回復とともにPSAが上昇し、治療前値に戻ったら治療を再開するという方法で、可能な限り繰り返します。治療を休んでいる間にQOLの改善が期待できます。あなたの場合、PSA値60まで放置するのは危険ですから、10くらいに上がったら治療を再開するのが良いでしょう。転移の有無に関係なく適応があり、間欠治療と持続治療で生存率に差はないとされています。ただ、もう一度考え直して、PSAが下がっている今のうちに根治療法に踏み切るのも立派な決断です。

                   

 回答には、福井巌・がん研有明病院顧問(泌尿器科)が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、(電)03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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