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【話の肖像画】作家・編集者 末井昭(1) 母がダイナマイトで…

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【話の肖像画】
作家・編集者 末井昭(1) 母がダイナマイトで…

(古厩正樹撮影) (古厩正樹撮影)

 〈自らの原点は母親の衝撃的な自殺だ〉

 岡山県の山奥。貧しい村で育ちました。母は街の病院で療養していて家にはいません。当時「死病」といわれていた肺結核でした。僕が小学校にあがるころ、医者に見放されて村に戻ってきたんですが、自暴自棄になっていたんでしょう。派手に着飾り、隣家の20歳の息子が昼間から家に出入りするようになりました。それがもとで父と大ゲンカの末に家を飛び出し、その男とダイナマイトで爆発、心中したんです。地元に鉱山があり、危険物が入手しやすい土地柄でもありました。母が30歳、僕が7つのときでした。

 突然、母の体がなくなってしまいました。お墓には着物の切れ端だけが入っています。子供心に虚無が芽生えました。(聞き手 重松明子)

 【プロフィル】末井昭(すえい・あきら) 昭和23年、岡山県生まれ。岡山県立備前高(当時)を卒業後、集団就職で大阪の工場に勤務するも、3カ月後に上京。デザイン会社やキャバレーの看板描きなどを経て編集者となり、50年にセルフ出版(後の白夜書房)入社。「ウイークエンド・スーパー」「写真時代」「パチンコ必勝ガイド」など、話題の雑誌を次々と創刊する。白夜書房取締役編集局長を経て、平成24年からフリーに。26年、「自殺」で第30回講談社エッセイ賞を受賞。新作に「生きる」、5月には「自殺」続編が発行予定。著書「素敵なダイナマイトスキャンダル」が映画化され、3月17日から公開される。

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