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有人月探査、巨額の費用負担で各国の駆け引きも

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 米国が月探査構想への参加を呼び掛ける中で開催された今回の国際会合。各国の動きが水面下で活発化しているのとは裏腹に、共同声明は具体性に乏しい理念的な内容にとどまった。

 米国はトランプ大統領が昨年11月、「米国人飛行士を月に戻す」と表明。先月にはISSの予算を2025年までに打ち切り、月探査にかじを切る姿勢を鮮明にした。

 背景にあるのは、火星用でもある大型ロケットや宇宙船の使い道だ。巨費を投じた開発が山場を迎える中、当面の用途を月で確保したい事情がある。独自の月面着陸を目指す中国をにらみ、宇宙の覇権を維持する狙いもうかがえる。

 ただ、日本やロシア、欧州などはまだ参加を正式に決めていない。最大の課題は月面探査を含めると総額十数兆円とみられる巨額の費用だ。日本の関係者は「参加を早く表明すると足下を見られ、負担増につながりかねない。各国の探り合いが続く」とみる。

 米国はアポロ計画に続く月・火星探査を実現できるのか。大同大の沢岡昭名誉学長(宇宙利用戦略論)は「国際協調でやろうというのは甘い。調整に時間がかかっている間に中国に先を越され、米国は宇宙開発の開拓者の看板を失うだろう」と指摘する。

 有人宇宙船を持たない日本が月や火星飛行を目指すなら、国際協調路線からの離脱は考えにくい。戦略的な議論と交渉力が求められる。(草下健夫)

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