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不思議な情景「メカ盆栽」 井上舞の個展

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不思議な情景「メカ盆栽」 井上舞の個展

「淀群」2018年 岩絵の具 高知麻紙 「淀群」2018年 岩絵の具 高知麻紙

 盆栽と機械部品などのメカニカルな造形物が融合した世界。不可思議な日本画を制作する井上舞(24)の個展が東京都台東区の上野の森美術館ギャラリーで開かれている。

 一昨年から今年にかけて制作した9点を展示。中でも目を引くのが「淀群(よどぐん)」。大阪を流れる淀川に繁茂した草から着想を得た。松と共存する不思議な情景。松の中からむき出しの金属製パイプや配管が見える。盆栽と現代の金属が合体したこうした作品を作家自身は“メカ盆栽”と呼ぶ。

 井上は大阪に生まれ、京都市立芸術大で日本画を専攻した。在学中の一昨年、上野の森美術館大賞展で絵画大賞を射止め、現在は同大大学院に在籍している。

 盆栽に興味を持ったのは大学1年のとき。偶然、図書館で見た本からだった。3年前から作品のモチーフにした。盆栽を描くだけなら珍しくはないが、メタリックな素材との組み合わせが個性的だ。

 「自然豊かな風景より、寂れた建物のある町並みに惹(ひ)かれる。特に工場の配管が密集する風景やモーターなどを見るのが好き」と言う。

 盆栽は人の意思によって造形化された小さな樹木。井上が創造する絵画の中では、根や枝に無機的な金属が複雑に絡み合う。機械仕掛けの松は、形を変えても生き抜くものの力強さや神秘を考えさせてくれる。(渋沢和彦)

                   

 28日まで、会期中無休。無料。問い合わせは(電)03・3833・4191。

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