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【追悼】西部邁さん 欺瞞と偽善に挑み続けた生涯

西部邁さんの主な著作
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 アメリカ従属という現状に安住し、屹立(きつりつ)しようとしない戦後の日本と日本人の在りよう、そして近代と近代人に、誰よりも深い懐疑と悲しみを抱き、根源的な批判を続けてきた真の知識人だった。

 戦後まもなく、アメリカに押しつけられた甘い理想をたっぷりと含む民主主義の言葉に、欺瞞(ぎまん)と偽善を感じ取った鋭敏な少年は、東京大学に入学すると教養学部自治会委員長、全学連中央執行委員となって60年安保闘争を指導した。それは欺瞞と偽善を撃つための闘いであった。しかし後年、革命は伝統との相対によって、自由は秩序との相対によって初めてその意味が明らかになるはずなのに、自分たち過激派は、伝統と秩序の何たるかを知ることなく、革命と自由を求めていたことに気付く。

 横浜国大助教授を経て東大助教授になった西部さんは、30代後半にアメリカとイギリスに留学する。イギリスでは、フォックストンという小村に居を定める。ここで、18世紀のエドマンド・バークから20世紀のマイケル・オークショットに至る保守思想家たちに触れ、政治も個人も綱渡りのように緊張感をもち「平衡感覚」を頼りに歩む以外になく、「平衡感覚」は歴史と伝統に学ぶ以外にないことを学んだ。

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