産経ニュース

【話の肖像画】元プロ野球阪急選手ロベルト・バルボン(5) こんな幸せな男おらんわ

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【話の肖像画】
元プロ野球阪急選手ロベルト・バルボン(5) こんな幸せな男おらんわ

ロベルト・バルボン氏(沢野貴信撮影) ロベルト・バルボン氏(沢野貴信撮影)

 〈昭和53年の日本シリーズ第7戦。阪急(現オリックス)の上田利治監督はヤクルトの大杉勝男選手のホームランをファウルと主張し、1時間19分に及ぶ猛抗議。判定は覆らず、試合にも敗れて4年連続日本一を逃し、辞任した(56年に復帰)〉

 あれ、ファウルや。僕は通訳で三塁側のベンチへおったんや。一番見やすいわ。レフトのポールの上やったら分からないけど、ポールの横(左のファウルゾーン)へものすごう切れとった。今の(映像を使った)リプレイ検証をしたら、判定がひっくり返るの間違いないわ。

 通訳は球団がオリックスになって、上田さんが(平成2年に)2度目の監督をやめるまで続けた。それからは球団の野球教室で子供たちに教えるようになった。あんなに楽しいことはないわ。

 僕はキャッチボールで「ボールは片手(グラブだけ)で捕るな。両手で捕りなさい」と教えている。片手で捕ったら、ボールを(利き手に)持ち替えるまで時間がかかるでしょ。両手で捕ったほうがすぐ投げられるわ。確実にボールを押さえられるし。プロでも片手で捕りにいってエラーする選手もいる。基本は一緒なんや。

 〈平成7年には阪神・淡路大震災を経験。約1カ月後に再開した野球教室には、子供たちが目を輝かせて集まってきた〉

 震災のとき、自宅は無事やったけど、ほんまに揺れたわ。何日かして車で国道43号を通って神戸市内の様子を見に行ったけど、高速道路が崩れて落ちとったり、ひどい状況やった。野球教室はよう再開できたわ。そんなときでも、野球をやりたい子供たちはたくさんおったんやな。

 でも最近は、家の近くで会う子らに「野球やってるか」と聞くと、「いや、サッカーです」「バスケットです」という答えばかり。野球をする子は間違いなく減ってるわ。だから、うち(オリックス)は教室をしているんやけど。教え子にはせっかく野球をするのやったら、プロを目指してほしい。後に続く子のためにもな。最近、野球教室に出るのは年に何回かに減ったけど、近所でキャッチボールしてる子らを見かけると中へ入るわ。ノックやったりな。やっぱり野球が好きなんやな。

続きを読む

関連ニュース

「ライフ」のランキング