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【芥川賞・講評】「最初の投票から受賞2作が抜きん出ていた」 堀江敏幸選考委員

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【芥川賞・講評】
「最初の投票から受賞2作が抜きん出ていた」 堀江敏幸選考委員

芥川賞を受賞した若竹千佐子さん(右)と直木賞を受賞した門井慶喜さん=16日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影) 芥川賞を受賞した若竹千佐子さん(右)と直木賞を受賞した門井慶喜さん=16日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

 第158回芥川賞が16日発表され、石井遊佳さん(54)の「百年泥」(新潮11月号)と若竹千佐子さん(63)の「おらおらでひとりいぐも」(文芸冬号)に決まった。選考委員の堀江敏幸さんが会見に臨み、選考経過について説明した。概要は次の通り。

 --選考経緯を

 「最初の投票で受賞2作の点数が頭一つ抜きん出ており、その後、各作品について議論していきました。点数的には若竹さんが過半数。石井さんがちょうど真ん中でした」

 --2作の評価された点は

 「『おらおらでひとりいぐも』は非常に言葉に活気、勢いがあるという意見が多かった。東北弁を使う小説だが、東北弁の一人称ではなく、標準語の語り手が、桃子さんという主人公の体の中からあふれる東北弁の制御しきれない部分をうまく別の言葉から制御する。この2つを、バランスよく最後までもっていった」

 「『百年泥』もよく似たところのある作品です。混沌としたインドの現実に飛び込んだ日本人女性が、洪水のときに橋を渡るまでの間を、現実と奇想と妄想とさまざまなことを織り交ぜながら描く。若竹さんと比べると、言葉の書き質が違います。もっとほどけている。制御の利かないところを、上手に利かないままにしている」

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