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【びっくりサイエンス】健康なうんちは“宝”だけど…薬なのか体の一部かそれが問題だ

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【びっくりサイエンス】
健康なうんちは“宝”だけど…薬なのか体の一部かそれが問題だ

研究者らは、糞便移植を患者がより安全に利用できる規制枠組みを提案している(c)Val Altounian/AAAS 研究者らは、糞便移植を患者がより安全に利用できる規制枠組みを提案している(c)Val Altounian/AAAS

苦慮がみられる米国規制当局

 わずか4、5年前に登場した糞便移植だが、CDI以外の病気への効果もあるとみられ、医療関係者の期待は大きい。ただ、“珍物質”だけに、既存の医療制度の枠組みにはなかなか収まらない。

 糞便の大部分は水分だが、そのほかに食物の消化かす、死んだ腸内細胞、腸内細菌やその死骸などが含まれている。つまり、「薬」だとも、生体組織だともいえそうなのだ。

 薬であれば画一的な管理方法が取られるし、生体組織であれば皮膚や内臓と同じ管理が必要になる。糞便をどの分類に含めるかは、規制の出発点でもある。

 米国の当局は13年の当初からその規制の在り方について苦心してきた。

 まず13年5月に、食品医薬品局(FDA)は糞便物質を「生物学的製剤」として扱い、実用化には治験新薬申請や臨床試験などを求めていく方針を表明。しかし7月には一転、患者らの不満を受けて、CDIの治療のためであれば申請なしに施術できるとした。

 そして16年に、医師に糞便を配布するバンクに対して治験新薬申請を届け出ることを求める新たな案を示した。なお同案では、医師や病院の研究所が直接、糞便を収集し、ふるい分けて患者に施術する場合は治験新薬申請は強制されないとしている。

 しかし、バンクに治験新薬申請を求めることは、規制の強化である。年間で万単位の死者がいるとなれば本気で普及を促進する必要があり、そうでなければ患者の海外流出につながりかねない。

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