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「森のくまさん」騒動からJASRAC問題まで……著作権10大ニュースで考える、情報社会の明日はどっちだ?

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「森のくまさん」騒動からJASRAC問題まで……著作権10大ニュースで考える、情報社会の明日はどっちだ?

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」より ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」より

 10大ニュースというのは好きじゃない。「今年の映画ベストテン」なら、わかる。関係者の努力をたたえて、そしてまだ見ていない人はこれから見たい気にさせるからだ。でもニュース10本集めてどうする? ニュースは何といっても起きてる時が圧倒的に面白い。それを年末に振り返ってる段階でもう全然「ニュース」じゃないだろう。出た瞬間に見あきててそうで、これがなんで楽しいのかと思っていた。(福井健策)

 ところが受けたのだ。今月NHK大阪にお招き頂いて講演をした際の、主催者側の要望が「著作権10大ニュース」だった。またまたあ、と思いながらやってみると、さすが企画のプロ達である。10個集めてみると確かに情報社会の今がじわっと浮かび上がって、「これはパッケージ化して全国講演で回るべきです」とさえ言って頂いた。いや色々ダメだろう。もう暮れで、年が明けた後の10大ニュースの賞味期限なんてそれこそ鏡もちがカビるより早い。今しかない。なのでコラムで書いている(ちょっとニュースを入れ替えた)。

1.パーマ大佐版「森のくまさん」とパロディの限界

 まずは1月に飛び込んで来た「森のくまさん」パロディ論争である。復習のために、ここで見て頂こう。あまりの人気に動画が作られて600万再生くらいされてるのだが、筆者はやっぱりこのTV登場時の勢いが一番だと思う。

 だがこれにクレームがついた。訳詞家、というか実質は作詞家に近いらしい馬場さんという方からだ。どんなクレームだったかというと、「著作者人格権の侵害」である。これは著作権とは別な、作品を無断で改変すると登場する権利。JASRAC(日本音楽著作権協会)の管理外で、だからJASRACでは編曲や改変の許可は出せない。

 では替え歌はどうか? 例えば元歌詞が半分残っていて半分変えてるなら、これはもう堂々の「改変」だろう。他方、歌詞を完全に別歌詞に入れ替えた場合、元歌詞は使ってないのだから改変ではなく著作権上の問題はない、という見解が実は有力なのだ。

 パーマ大佐版はどうか?よく見てみると、元歌詞は別にいじっていない。単にその間に「ひとりぼっちの私を強く抱きしめたクマ♪」などを挟み、すると全然違うストーリーになったというものだ。みんな元がどんな歌詞だったかよくわかって見ている。それでも元歌詞の改変だろうか? 存在を許されないのか? 結局このケース、和解が成立してパーマ大佐は無事歌えているのだが、パロディ問題の奥の深さを見せつけた事件だった。

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